2022年11月22日
もうだいぶ前に書いたお話。ちょい加筆修正しました。気が向いたらそのうち写真も追加します。
2008年のこと。夫婦で岡山で田舎暮らしをはじめて、自分たちでなにかをつくる店をしたくて、自宅横でパン屋を始めました。
古民家を直しながら、田植えして、季節の野菜つくって、最初は手作りの土窯もつくったり、何でも手作り。ヤギを飼ってみたり、ミツバチを飼ってみたりってやってました。やれることは何でも挑戦。ただ一つ、美味しさにはとことんこだわりました。だってせっかく素材から作るのだから美味しい方がよいですよね。単なる食いしん坊ってのもありますが。
店の場所は築100年はあろうかというぼろぼろの納屋。バールとかノコとか使って手作業で倒したのが2007年の夏のこと。国産杉のログハウスキットを使って、ほぼ二人でたてました。メーカーの大工さんに手伝ってもらい、最低限のベタ基礎とか電気工事は頼みましたが、サッシをいれたり屋根をはったりあれやこれや...どたばた工事は年末に終わり、機械なども入ったので売場も未完成のまま即営業開始!...営業初日は翌2008年真冬の雪が降る京橋朝市2月市。よー行きました...
元々趣味で焼いてたパンをベースに、本を読んだり味見をしたりで試行錯誤しながら酵母の発酵方法や粉のブレンド、成形や焼き加減、レシピの配合などなどほぼ独学で、これは!と思えるパンを目指して頑張っていました。ようは食べたいやつを作っていました。
ところが...早朝から深夜まで続くパン屋のハードワークに加えて米野菜どころか菜種油やらおはぎ作りやらとにかく何でもやりたい欲張り癖、子育てなども重なって疲れも出てきたのかなという頃、配達いったりイベント出たりしてお客さんも増えてきて...と頑張っていたところでどうも妻の体調がよくなく、2年目の夏場についに発覚しました。手荒れやだるさなどいろいろでしたが、原因はなかなか分からず、まさかと思っていたら...小麦でした。
細かくいうと小麦のグルテンです。セリアック病というのですが、グルテン不耐症、つまりグルテンを食べると具合が悪くなる遺伝性の病気です。簡単にいうと小麦アレルギーのようなものですが、ライ麦や大麦もダメというところが少し違います。
どうしようかと悩んだけれど、いきなり辞めました~っていうわけにもいかず、もちろんパンはまったく食べなくなった他作業内容を見直したりして仕込や焼いたりの作業をなくして、片付けと販売だけにするとかでなんとか続けてましたが、今度は僕のほうがぶっ倒れました。
ストレスもあったんでしょうかね。1週間高熱で寝てました。熱が下がってからは稲刈りしたりパン屋再開準備も考えたりしてましたが、なんかよくならない。調子が悪い。医者にいって検査してもらったら肝炎でした。ウイルス性A型。そういえばBBQで牡蠣食ったんだった。。。
診断受けてからは絶対安静と言われ、店復帰は一旦あきらめました。マジで寝てないと治らないと脅されました。しょうがないので、ひたすら寝て、いろいろ読書。森信三の修身教授録とか心に刺さりました。もっかい読もうかな。開店後1年半のこと...