コンセプト:農産物の生産+焼き菓子製造
循環農業でつくる農産物
米、黒豆、野菜、地鶏養鶏
裏の山に囲まれた田んぼ
農業部門では、水稲、黒豆、季節の野菜の生産、そして卵肉兼用の地鶏養鶏をやっています。
2005年に今の住まいに来たとき、家の前のほんとに小さな田んぼに初めて手植え。鍬で耕して、肥料もろくにやらず、秋には鎌で刈り取り。手作業で初めてのお米を収穫しました...その後、自家消費やパン屋の材料にするなど、面積は増えて栽培する作物も増えました。
今の目標は、より栽培技術を磨くこと、そして農業単体での経営の基礎をつくること。
日々模索しながらやっています。
栽培について
きゅうりの栽培
栽培方法は環境にできるだけ配慮した有機循環農法です。具体的には化学肥料や農薬のみにたよらず、カバークロップ、緑肥や堆肥に、米ぬかや菜種粕などの有機肥料を使い、ミネラル肥料や微生物を活かした自然の摂理に矛盾しないやり方を取り入れています。緑肥を使った抑草方法のほか、虫の害や病気などの対策としては、微生物農薬のbt剤やお酢、石灰などの有機認証対応の農薬を使用する時もあります。作物の栽培は本当に難しく、何を使うか、使わないか、はよい農産物をつくるためのホンの入口にしかすぎません。種蒔きのタイミングや品種選び、水やりから収穫方法に、肥料のやりかたや土づくりなどまだまだ学ばなければならないことは沢山あります。
落ち葉をつつく鶏
循環農業、といいますが、一つ重要なのは、有機廃棄物を分解する微生物をいかし、資源を有効に活用するということ。肥料として農地に還元する方法としては緑肥、鶏糞堆肥の使用、飼料としては米ぬかや小米、それから収穫した野菜を調製したときにでる野菜クズを鶏のエサに、モミガラは鶏舎の敷き床やブルーベリーマルチに、卵のからはカルシウム肥料に、鶏のエサにも近所のうどん屋さんからでるカツオ節などの出し殻、できる範囲でいろんなものを利用しています。
今後のプロジェクトとしてはミミズやハエの幼虫を使った食品残渣や家畜糞からつくる鶏のエサ+肥料の自給なんかもあります。有限である地球の資源をいかし、物質循環による回復力、再生力をとことんまで活かし、多くの生きものが暮らせるような豊かな環境を作り出せる...そんなことも可能かなと考えたりしています。
良いものを作るには
真夏の黒豆畑
作物としての美味しさ、健康・安全などはこのような生産面での取り組みがきちんとできていれば自然と結果的についてくるものでもありますが、有機だから...無農薬だから...ではなくキチンと生産物の良し悪しを評価し、それを次の栽培に繋げていくことが、よりよい品質のものをできるだけ環境負荷の少ない方法で栽培するためには大切になってくるとおもいます。
自家栽培の農産物でつくる焼き菓子
微細粉米粉を使ったグルテンフリー
グルテンフリーって?What is gluten-free?
ブラウニーの製造
焼き菓子加工部門では、自家栽培のお米を焼き菓子に向いている微細粉米粉にしたものを使って、ブラウニーなどの焼き菓子をつくっています。できるだけここで採れる材料を使います。他にも卵、ブルーベリー、野菜なども使います。一番人気はフランス産カカオパウダーを使ったアメリカのチョコレートケーキ「ブラウニー」で、米粉のしっとりとした食感、カカオの香りが特徴的です。最近はバター乳製品を全く使わない「ココちゃん」シリーズも始めました。フィリピン産の高品質ココナッツオイルを使っています。
自家栽培の黒豆を深煎りパウダー加工した「深煎り黒きな粉」や野菜ペーストを使った「農園スイーツシリーズ」なども現在は限定販売ですがつくっています。イベントでは卵、牛乳のみのシンプルな「昔プリン」も人気です。
稲刈り風景
工房内では小麦、大麦、ライ麦などグルテンを含む穀類をまったく使わないグルテンフリーの焼き菓子などを製造しています。地元の製粉所で自家栽培のお米を気流粉砕式製粉で微細粉に加工したもので、小麦が食べられないアレルギーを持つ人でも安心して食べることができます。
農園菓子工房で作っているのはすべて小麦アレルギー対応のものですが、小麦粉を使っているものと比べてもよりおいしいと言われるようなもの、材料の制限をまったく意識しないような満足感のあるものを目指しています。アレルギーのある方も、無い方も、文句なしに美味しく食べていただけるもの、そういうものを自給的材料を使ってつくります。